short

□哀
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幼稚園





「大きくなったら、健ちゃんのお嫁さんになるー!」

「本当に!?僕、日向ちゃん大好き!!」




手をしっかり繋いで帰った道。







小学生





「健ちゃん、学校行くよ!」

「ま、待ってよ!日向ちゃん!」




繋いでいた手が少し離れた。







中学生





「おはよう、健ちゃん」

「おぅ、おはよ」




お互いの距離がまた離れた。











「おい日向。髪はねてるぞ」

「えっ?ど、どこっ!?」






サラリと髪を撫でてやる。



少しだけ驚いたように頬を赤くし、「ありがとう」と笑った。






距離は少し離れたけど俺たちはずっと一緒にいた。



手を繋がなくても

触れ合わなくても

ずっと隣にいた。



俺の隣はこいつだけ。

こいつの特等席。




俺はこいつに対して

「ただの幼なじみ」

というだけではなく

「特別な感情」

を抱いていた。





いつからだろうか…

忘れちまった。





普通に過ごしていつかちゃんと告白して…



それなりに考えてた、がそうも考えてられないことが起きてしまった。





それは、あまりに突然だった。














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