short

□Let's lesson !
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俺が見上げると、彼女は目を逸らし、頬を朱に染めた。



「何だか日向ちゃんを見上げるのって新鮮だね」



「あ、の…先輩…?」



日向ちゃんはただ顔を赤くするばかり。







「ほら、こっち見て。キスの練習するんだから恥ずかしがってたらダメだよ?」




彼女の顔をこちらに向けると、ばっちりと目が合った。


揺れる瞳をとらえる。



キスしたいけど、ここは我慢。




「じゃあ日向ちゃん、キスして」


「わ、わたしがですか!?」




彼女からキスなんてされたことない。


だから慌てたようにオロオロする日向ちゃんをしっかり捕まえる。





「当然、日向ちゃんから。キスの練習なんだよ?」



じっと見つめると、観念したのか「わかりました!」て一生懸命に言った。




目を瞑ってほしいという彼女の要望から俺は目をしっかり瞑った。


本当は彼女の頑張ってキスしてくれる顔見たいんだけど我慢だ!





「じゃ、じゃあしますからね!」



「はい、どうぞ」



彼女が俺の肩に手を置く。

手から彼女が緊張してるんだなって伝わってくる。




日向ちゃんの髪がサラリと顔にかかる。



あ、近くにいるんだと感じると何かドキドキしてきちゃった。











唇に軽く感触がした。
柔らかい感触。




一瞬だけ、彼女がキスをした。
触れるだけのキス。




目を開けると、彼女は真っ赤になっている。




でも俺はまだ満足してない。





「日向ちゃん、もっと長くキスしてよ」



「えっ!?」




「無理ですよ!」とか「恥ずかしい」とか言ってたけど、彼女は基本優しい。



俺が「お願い」と言ったら、何とか引き受けてくれた。



可愛いなぁ、本当。






再び目を閉じる。







今度はさっきよりも少し長いキスだった。




舌をいれるとか、そういうことは彼女はできない。


というか分からない。





それでも懸命に唇を重ねてくれる彼女が可愛くて可愛くて我慢なんてものはなくなってしまった。











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