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「うお、すげー雨だな」



雨が強い日のことだった。



練習を終え、シャワーを浴びて体育館から外を見る。



ザーッとものすごい勢いで雨が降っている。

台風?
雷鳴りそうだなぁ。




「皆さん、お疲れ様です。今日は雨が強いので帰りは気をつけて下さいね。」



シャワーを浴び終えただろう日向が「どうぞ」と1人1人にタオルやビニールを渡す。



「濡れたら使って下さい」


「日向は帰らないのか?」



まだ何かしようとしていた日向に花形が話しかけた。



「わたしはまだ仕事が残ってるので…」



「手伝うぞ?」



「大丈夫です。皆さんは身体を休めて下さい」




日向は部員達に頭を下げ、体育館の倉庫へと向かって行った。



向かう途中、俺と目が合い、笑った気がした。




…か、可愛い!









わー、と1人で興奮してると花形が近くへ寄ってきた。





「いいのか?藤真」

「は?何がだよ」



お茶を飲みながら言うとはぁ、と溜め息をする花形。


な、何だこいつは!

喧嘩売ってんのか?





「マネージャーのことだよ」

「ぶっ!!!?」



花形があまりに衝撃的なこと言うから、思わず吹いた。




「汚いな…まあ、手伝ってやれよ。いろいろ協力してやるから」


「はぁ!!?」




不適に笑う花形、気持ち悪い。


てか何で知ってんだよ!

お見通しか!?
ますます気持ち悪いわ!!


何でそんなこと言うか聞いたら「じれったくてイライラする」という理由らしい。




イライラって…

俺はヘタレじゃないわ!



まあ、いい。
せっかくだし手伝いしに行ってくるか。





俺は日向の元へ向かう。



柄にもなくドキドキしてきた。



何を話そうか、いきなり手伝うとか図々しくないか、とかいろいろ考えてしまう。




そうだ、帰り送ってやろうかな?
日向は可愛いから危ないし。



あいつは無自覚なんだよな。

自分が結構な男達から好かれてるのに気づかないし。

鈍いんだよ、全く。

俺の気持ちも気づきゃしない!






…いやいや何考えてんだ!!



手伝いだ、手伝い。




俺は日向のいる倉庫を開ける。









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