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□その瞬間、恋に落ちた
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今日は頭がフラフラする。



確かに朝、少し熱があった。


でも勉強もあるし、部活もあるので来たのだが…



ちょっと熱上がったかな…?




友達から「大丈夫か」と何度も聞かれたが「大丈夫だ」と返事をした。






これは絶対、藤真先輩のせいだ。



昨日、冷たい氷を投げるから!!



すぐお風呂に入れば良かったかな…?





人のせいにしてもしょうがないし自分の体調管理が悪かったんだよ、きっと。




これから気をつけよう!!











それで今は移動教室なわけで。



さすがに歩くのはキツい…



足元が不安定だ。


あぁ、視界が揺らぐ。













わたしはそこで倒れてしまった。






周りではキャーキャーと悲鳴があがっていた。



友達やらクラスメートやらたくさんの人が集まってきた。






意識がもうろうとしている最中




「お前らそこ通せよ!!どけ!!!」




遠くの方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。








「日向!!大丈夫か!?待ってろよ!!今、保健室に連れてってやるから!!」









藤真先輩…?






どうしてそんなに焦ってるの?

どうしてそんなに息をきらしてるの?







わたしは藤真先輩に抱えられた。





「いつまでも群がってんじゃねーよ!!通せって言ってんだろ!!」







ファンの女の子達がいるのに、その言葉づかいはマズいですよ!!



そんなことを思っていてもつらくて声に出せない。








藤真先輩がいつもと違う。






いつもの余裕な表情はそこにはなかった。




真剣でわたしを心配してくれている、そんな顔だった。








何でですか?



いつもいじめてくるくせに。



わたしの反応を面白がっているくせに。







何で、何で…



こんなに必死になってるんですか?







少しぼやけて見える先輩の顔はとても不安げだった。




















あれ…?

何だろう、

胸がドキドキする。





この気持ち、

何て言うんだっけ?









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