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□彼女を好きな10の理由
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1つめ

優しいところ(可愛い込み)






それは2人で電車に乗っていた時のこと。

中は満員で、
可愛い俺の日向ちゃんが
痴漢にでもあったら大変だから
1人分あいていた場所に日向ちゃんを座らせる。




「い、いいですよ!」
と遠慮して、
一生懸命に俺に譲ろうとしてくれるところとか
嬉しいし、可愛すぎなんだけど
「可愛い彼女が心配なんだよ」
と言うと、顔を赤くして
「ありがとうございます」とおずおず座ってくれた。




…可愛いな。



そんなことを考えてたら
この満員の中、
年配のおばあさんが入ってきた。



キョロキョロと困っている様子で
手には重そうな荷物を持ち
少し辛そうにしていた。


しかし、座っている人達はみんな知らん顔。



俺はせめて荷物くらい持とうと、
話しかけようとした。




「あ、あのっ!!」



俺が話しかけるより早く
日向ちゃんがおばあさんに話しかけていた。



「ここ、良かったらどうぞ!」



にこり笑いと立ち上がる。



おばあさんは嬉しそうに笑い
ありがとう、と言い座った。



日向ちゃんも嬉しそうに笑っている。



…ちょっと待った。

これじゃあ痴漢にあってしまう。



「日向ちゃんこっち」



日向ちゃんを引っ張り、
壁へと押しやった。



両腕の間に日向ちゃんが埋まる。



「えっ…!じ、神さん…」


顔が近いせいか、
恥ずかしそうに俯く日向ちゃん。



「可愛い彼女が痴漢にあったら大変だからね」



そう俺が笑って言うと
また真っ赤になってしまった。



電車が揺れると身体が密着する。



柔らかい身体にドキドキする。



「神さん…ありがとうございます」



へへ、と照れ笑いする日向ちゃんは最強に可愛い。









(優しいところが好き)






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