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□吸い込まれてく、その瞳
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唇に何か、温かいものがあたる。



「せ、んぱい?…んっ」


言いかけたときまた藤真先輩の唇がわたしの言葉を塞ぐ。



キスをされている、ということに気がつくまで少し時間がかかった。



「ん…せ、んぱっ、んぅ」


なかなか離れない長い長いキス。



呼吸ができないくらい

苦しくて、熱い…



トントンと先輩の胸元を叩く。



藤真先輩は苦しいのに気づいてくれたのか唇を離した。



「…ごめん。抑えらんなくなっちゃった」



先輩は悪戯っぽく笑った。
まるで小悪魔のよう。



「俺、日向ちゃんのこと好きなんだ」





「えっ…?」



先輩が、わたしを?



「わ、わたし可愛くないし、先輩のような方とは不釣り合いです…」




藤真先輩はキョトンとしている。





「…あはは!日向ちゃんは自分の魅力を知らないんだな」




「み、魅力?」



「んー…そうだな。どんな日向ちゃんも可愛いけどメガネは止めて前髪を切ってみたらどうかな?」



藤真先輩はわたしの目を真っ直ぐ見つめ

「…好きだよ。じゃあ」

と出て行ってしまった。



先輩の耳が赤かったのは気のせいだろうか。





あんな目は反則です…






吸い込まれた、あなたの瞳




(…明日、コンタクトにして前髪も切ってみようかな…)



わたしに勇気をくれました。






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