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□その瞬間、恋に落ちた
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清々しい朝の香り

雲1つない綺麗な空



そんな中、今日も翔陽高校の門をくぐります。



入学してから半年。

まだまだ新鮮なことばかりです。




あ、入学してから変わったことが1つあります。




それは



「日向ー!!」



遠くの方からキラキラスマイルで登場してくる王子こと藤真健司。



バスケ部のマネージャーになり、関わりもある。



藤真先輩はバスケ上手だし、顔も格好いいし、頭もいいし、完璧な人だ。



話しかけられたら女子なら絶対に喜ぶが、わたしは素直に喜べません。





なぜならば



「お、おはようございます…」

「おう、おはよう。さて、今日の下着の色は…」




藤真先輩はいっつもわたしをいじめてくるのです。




「先輩、それはセクハラですよ」


「まぁまぁ、俺達の仲だろ?」


「そ、そんな仲じゃありません!」




ちっ、と小さく舌打ちをし先輩は何ともいえない顔をした。




先輩はわたしをからかって楽しいのだろうか?




女の人なんかいっぱいいるのに何でわたしなのかなぁ?

わたしなんかより可愛い子だっていっぱいいるのに。





さては遊ばれてるな、わたし!!



反応を面白がられてるんだ!!




だってこの前なんか服の中にオモチャの虫を入れられた。

その前はからし入りのお菓子を食べさせられた。


…あれは辛かったなぁ。





「おはよう。藤真、日向」




いろいろ考えていたら花形先輩が後ろからやってきた。



「花形先輩!!おはようございます」

「おいっ!俺の時と何で違うんだよ!!」



にっこり笑って挨拶をしたら藤真先輩の眉がピクリと動き、あからさまに何とも不機嫌な顔をした。





「……相変わらずだな、藤真」

「うるせー」




藤真先輩は耳がほんのりと赤くなっていた。



おぉ、珍しい。

なんて思ったけどわたしには何のことかよく分からなかった。




藤真先輩は本当に分からない。




この時は藤真先輩のことをよくわからない人だなぁ、としか思ってなかった。




この時は。








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