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□涙はダイヤモンド
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インターハイをかけての
湘北との試合。





「試合、勝ったらキスしてね」




いつもの悪戯っぽい笑みで彼は会場へと向かった。



―――――――――――…






翔陽は負けた。



コートでは部員がみな涙を流している。



わたしは涙をこらえた。

わたしはマネージャーだから
1年という短い時間しかいない
何もしていない



みんなを見守ることしかできなかった。




ただ、藤真先輩が

コートで一度だけ涙を流したきり

泣いていない





笑って、みんなを励ましている



わざとらしく明るくて


わたしには


泣きたいのを我慢しているように見えた。






そんな先輩を見て泣きそうになったが、必死にこらえた。





そしてコートから出て控え室に戻る。



控え室ではみんなもいつもの感じに戻っていて少しホッとした。





「みなさん、お疲れ様です」



タオルやドリンクを配ったりした。



しかし

藤真先輩の姿がない



「あの、藤真先輩は…?」


花「さっきトイレ行くって言ってたぞ」




なんとなく
わたしは不安になった



「ちょっと探してきます」



そう言い、部屋をでた。





会場を走って探した。
たくさんの人達に見られたがそんなのもうお構いなしだ。




ふと、人影のない通路へと足を運ばせた。
















そこには

ふるふると肩を震わせた

藤真先輩がいた








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