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□振り向かせたい、その心
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「きゃー!流川くん!」
「格好いいー!!」
…うるさい。
心の中で思い、全力でシカトをする流川。
タオルだのドリンクだのを渡しに近づいてくるのを完全に無視し、自分のを使う。
ふと、視線を違う所に向けると可愛らしい女の子がこっそりと中を覗いていた。
女子が見ているなら完全に流川ファンなのだがこの女の子は流川を見ていなかった。
怒りながらひたすら基礎をする桜木を、見ていた。
別に自分がモテるとか自惚れているわけじゃないが、ただ、自分を見ず
あの桜木を見ていることに興味を持った。
桜木が基礎を終え、休憩をしていると
「さ、桜木くん!」
と小さな声で呼ぶ。
桜木はこんな可愛い子に話しかけられ顔を赤くしている。
「よ、よよ良かったら…これ使って下さい!!」
綺麗にたたまれたタオルを渡す。
桜「え!!?お、俺が使っていいんですか!?」
「は、はい!あ、あの…いつも応援してます!練習頑張って下さい!」
と、顔を真っ赤にし女の子は出て行ってしまった。
バスケ部一同、桜木軍団も含めみな、ポカンとしていた。
まぁ、一番驚いていたのは桜木本人なのだが…
桜「な、なーはっはっ!!見たか流川!!あんな可愛らしい方が俺のファンなんだ!!」
流「……どあほう」
女というものに初めて興味を持った瞬間だった。
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