長編
□Unknown Darkside-1
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銃口を突きつければガタガタと震え出す人間たち。
命乞いをする愚者たち。
なにがそんなに怖い?
ただ死ぬだけじゃないか。
Unknown Darkside−1
昨夜の依頼は某国家からのものだ。
現在日本に滞在中の情報スパイを抹殺せよ、と。
至って簡単な依頼だった。
「秋月先生、今日って…」
殺しじゃないんですか?と佐伯先生が躊躇いもなく言った。
時刻は20時を回ったところ。
「拉致班から連絡が来ないんで待ってるんですよ」
「ああ…なるほど。なーんか、班長変わってから仕事遅いですよね」
「はは、確かに。てか佐伯君何気に毒舌だよね」
「そんなことないですよー」
偶然にも俺たち3人以外に教員がいないのをいいことに、組織の愚痴をぽろぽろとこぼす。
噂をすればなんとやらとはこのことか、そんなタイミングで拉致班長より<拉致完了>とのメールが届いた。
「おっ。じゃあ行ってきます。もちろん直帰で」
「ふふ、お気をつけて」
「お疲れさまでーす」