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「・・・そこにいるんだろう?
さっさと出て来い」

「さすがですね。
こんなに早くばれるとは思いませんでした」

「ヨノワール、俺に何のようだ」

「何のこと・・・」

「嘘をつくな。
それから、その変なじゃべり方もやめたらどうだ」

「・・・まぁ、ここにはお前しかいないことだし、偽ることも無いか」

「(やっぱり、こいつは腹黒だな)
で、何のようだ」

「何の用ほどでもない。
ただ、お前はモミジの泣いたところを
見たことがあるのかと思ってな」

「・・・無い。
それはティナだって同じだろう」

「あのミズゴロウが見たことが無いのは予想していたが、
お前まで無いとはな・・・。
・・・やりがいがある」

「ま、まさかお前!!」

「私はただ、
いつも笑顔を絶やさないモミジの泣き顔が
見てみたいと思っただけだ」

「そんなことしてみろ!!
俺が許さないからな!!」

「“許さない”か。頼もしいな。
・・・誰か来た様だな。
それでは、これで失礼しますよ。ジュプトルさん?」

「・・・」

「ジュプトル〜!
何してるの・・・って、こわっ!!」

「ティナ、1つだけ言っておく」

「・・・はい?」

「モミジをヨノワールに近づけるな!!」

「は、はい!!!」

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