小説
□*どうして?*
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「あ、あのさ、モミジ・・・」
言え!今日こそモミジに聞くんだ!
「どうしたの、ティナ?」
「えっ、あ・・・。ううん。なんでもない」
いつも通りにボクに向けられた笑顔。
ボクはその笑顔で何もいえなくなってしまう。
「?
何かあれば言えばいいのに〜」
それはボクのセリフだよ。
モミジだって、
ボクに何か言いたいことがあるんじゃないの?
「ふあぁ〜。
私眠くなってきちゃった。
先に寝るね、おやすみ」
「う、うん。おやすみ」
最近、おんなじことの繰り返し。
いつになったらボクはモミジに聞けるんだろう・・・。
***
ふと、夜中に目が覚める。
目をこすりながら横を見た。
あれ?モミジがいない。どこに行ったんだろう?
まだ寝ぼけている体を動かし、
外を見てみた。夜風が気持ちいい。
その時、浜辺に誰かがいるのが見えた。
目立つオレンジ色の髪。
間違いない。モミジだ。
そうとわかれば、急いでいくだけ。
ボクはいきよいよく飛び起きると、
浜辺に走っていった。