小説
□離れていくあなた
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「カイト、またアンタ変なことしたんじゃないの?」
自分の目の前にいるカイトに、少しきつめに言ってみる。
すると、カイトは“何もしていない”と言いたげな顔をしてくる。
「じゃないと、ミクがいきなりアンタを避けるはずないでしょう?」
「でも!本当に何も思い当たることがないんだもん」
アイスを食べながらいじけているカイトは、友達とケンカをしてすねている子供そっくり。
そんなカイトより、
カイトと暮らしているミクの方が気の毒に思えて仕方ない。
「とにかく!さっさとミクに謝って来る!!」
「何もしてないのに!?」
「アンタはそうかもしれないけど、
ミクは何かされたと思ってるかもしれないじゃない。
大体、アンタは変態なんだし」
「メイコ、今サラッと酷い事言わなかった?」
メイコの言葉でさらに落ち込むカイト。
さすがに言い過ぎたかしら?と
もう一度声をかけようとした時、電話が鳴った。