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□ 迷い猫に踊らされて─。
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「えぇえぇ?!!何ですってぇえぇ〜〜〜っ?!!!!」
案の定、冷静さを見失った林檎は物思いにありったけの声を振り絞り叫んだ─…
「アタシこの年でまだ、芸能界を引退なんかしたくないわー!どーにかしてよ、まーくぅん!」
真斗に泣き付く林檎だが
「どうにかしてと言われましても……」
逃げられたものは逃げられたのだし
今はどうにも打つ手がない──…
返答に困っていた真斗に
「ごめんなさい……僕達がもっと、しっかりしていれば、こんなことには……」
「ごめんね……リンちゃん…」
逃がしてしまった責任の重さに耐え兼ねない二人は項垂れながら弱々しい声音で謝罪をする──…。
それを見兼ねた林檎が二人を励ますが
林檎自身どうすればいいのかは分からない──…
タイムリミットまで
あと10分もないのだ。
このまま皆で食われるのか…
何とかして逃げることは出来ないか─…
必死に考えてはいるが
どうにも考えがまとまることも無かった───…。
「仕方ないわ………このまま正直に話しましょう。どんな結果になったとしても、話さなければ何も変わらないもの…」
今すぐにでも、この場から逃げたしたい気持ちは皆同じ……。
だが、仲間意識の高いAクラスは仲間を売るようなことをしたりはしない。
一人のミスは皆の責任──…
そして、その後
誰一人として口を開かないまま戦場にへと足を運んだ───…。