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□ 闇に咲く恋の音
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そんな翔の姿にクスクスと笑いながら


「そんなに恥ずかしがらなくても昨日、翔ちゃんの全部見ちゃったんで…いい加減出てきてくださいよ?」


と素面でとんでもない事を口にした那月に


「おま………っ!それを言う……………っ?!!」



ひょっこりと顔をだけを覗かせて叫んだ翔だが
隙をつかれて唇を奪われてしまう。


「………んな…………っ?!」


熱さやら恥ずかしさやら
色々な気持ちがオーバーヒートし
とうとう耐えきれなくなった翔は、また目を回して倒れ込んでしまったのだった………。






「…………んんっ……頭痛ぇー……」


二度目に目を覚ました時は
昼の三時を回っていた。


今日は休日と言うこともあり、疲労とかが募った身体は限界だったみたいで
いつも以上に寝てしまった。


「はぁー………寝過ぎて身体ダリィけど…先に風呂入って来るとすっかな…」


と思い立ち
足早に大浴場にへと迎い風呂を済ませることにした。



タイミングよく
大浴場だが
この時間帯の利用者は他には居らず
鬱血の痕が残る身体を誰にも見られることもなく、ゆっくりと入ることが出来た。



「ふぅー、やっとサッパリ出来たぜー」


湯上がりは薄いTシャツに短パンと軽装な格好で首にタオルを回して
部屋へと戻ると


部屋の奥で静かに本を読む那月の姿を見付けた。


(あれ?さっきまで、また居なかったのに…)


「よぉ……お前さっきどっか行ってたのか?」

自分のベッドに腰掛け話し掛けてみるが無反応。



「なぁ……那月?」


そっと近付いて相手に触れようとした翔の行動よりも早く腕を掴まれてしまい──…


眼鏡を掛けていない裸眼が
目を見開く翔の姿を捕らえた──……。



「────砂月…?!!」


その名を口にした時
ギリッと腕に力が込められ
自然と顔が痛みに歪んでしまう─


「な………んでっ、お前がここ………にっ…?!!」
「………黙れっ」



問い掛けている最中に
強引に唇が重なり合い
ゴチッとした痛さに反射的に逃げようとした身体を
顔を上向かせるように抱き込まれて肉厚の舌が押し込まれる。


「………んっ………ふぅ…ふ……んん………ぅつ」


それは那月とするキスよりも
深く激しいもの──…。


息苦しくなっても呼吸をする暇を与えない程に責め立てられる口付けに
足腰が立たなくなるのは、そうそう時間が掛からなかった───。
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