km*bk
□ 触れて僕は。
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鼻先にツンと触れた──…。
肩がピクリと動いた。
続いて頬を軽く撫でた。
反応はない。
そして、睫毛に触れてみた…
ウザそうにしている。
最後に耳を軽く掴む。
あ────…
「はい、顔背けたからお前の負けな」
「…………。背けてないよ。首があっち側に折れただけ」
「なんでだよ!んな訳あるか」
祐希と始めた意味の分からないゲーム。
どちらかが触れて顔背けたら負けと言うルールはシンプルなもの。
「てか、ふー……ん?お前、耳弱いんだ?」
「弱くないよ。要の触り方がやらしかっただけだよ」
「………………」
放課後の教室には誰も居ない。
千鶴達は手伝ってほしいと先生に呼び出され、残った要と祐希は退屈を紛らわせてるだけだ。
何の手伝いに呼び出されたのか
どこに居るのか
いつ帰って来るのか…
それが、まったく分からない。
「ねぇ、次オレ触っていい?」
祐希がそう小さく呟いた──。
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