km*bk
□ 君が僕に残した跡。
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「…………重たい。暑い。帰りたい」
兄の悠太達に頼まれ、じゃんけんで負けた代わりに買い出しに行く羽目になった祐希と、いつもの様に巻き添えをくらってしまった要は熱い日差しが照り付ける坂道を下りている最中だった……。
坂を下りきったら、ゴールは近い……の、だが。
いつも周りに甘えてばかりの祐希のお陰で中々足取りが進まないでいる。
「うっせぇよ。こっちだって重てぇんだし、暑いんだから黙って歩け」
「………オレが倒れたら後は宜しく」
「お前だけ置いて行ってやるよ」
そして、あっという間に祐希を要が追い越してしまう。
本当は知ってる………
ただの戯れ言だって…
「オレが居なかったら慌てるくせに…」
ボソッと呟いた言葉は相手には届かない。
「何してんだよ、本当に置いて行くぞ」
「いいよ。悠太に迎えに来てもらうから」
「あのなぁ!」
少し離れた場所から
わざわざズカズカと戻って来る要。
「いい加減、悠太頼るのやめろよ。お前、悠太居なかったら本当にダメなんだな?」
「………………」
要の言葉に傷付いたかどうかは分からないが
押し黙って俯く祐希に
さすがの要にも戸惑いの色が滲む…………。
「あー………悪ぃ、今のなし…」
気まずそうに頭を掻きながら告げると
「………悠太より要の方が居なかったらオレ、ダメだと思うけど」
先程まで下を向いていた祐希が真っ直ぐに要を見据える。
「……………〜〜〜〜〜〜〜っ」
何故こいつは、こんなにも歯の浮く言葉を平気で言えるのか。
自分の顔が赤くなってるのは要自身分かっていること。