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□ 雨が降ったその後に─…。
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那月が珍しく風邪を引いた────…。













「8度6分か……あんま熱下がってねーな」


朝から付きっきりで俺様が看病しているの…だが…那月の熱は中々下がらない─。


「いいか?今日も安静にしとけよ?動いたら許さねーからな!」
「………………はい…。ごめんね……翔ちゃん…」


いつもとは違い
弱々しい声で返ってくると、変に拍子が抜けてしまう──。

軽く溜め息を一つ吐いて

「あ…謝ることは…その、ねーから……気にすんな…」

羞恥を堪えながら頭を撫でてやると那月は安堵したような笑みを向けてくる…。


那月が風邪を引いたのには
少なからず俺にも責任がある訳で────…

それに同室なのだから
自分が世話をみるのは当たり前と言えば当たり前のこと…


だから礼なんかを言われると
胸が変に締め付けられ居心地が悪い──…。
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