ut☆pr
□ 知らぬ嫉妬に恋心─…。
1ページ/10ページ
いつでも透かしたままの
あいつの態度が悔しくて──…
「余裕がないのって俺だけなのかなー?」
ふと教室の窓に手を付きながら、ぼやいた言葉だった──。
そして、そんな中─…
窓から見える位置に
悩みの種である人物が他生徒と珍しく楽しそうに話していた。
そんな姿を見るだけでチクリと胸が痛むのが分かる──…
子供みたいな独占欲……
いつも澄ました相手は大人びた雰囲気を漂わせている──…。
最初は打ち解けにくいように思われていたらしいが
最近は周りも慣れてきたのか声を掛ける生徒が増えてきたみたいで──…
「……………………」
楽しそうに会話を続ける相手から目が離せなくなり、蠢く黒い何かを胸に抱えながら複雑な気持ちで静かに見ている他無かった────…。