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□ 素直じゃない…。
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「……………おい」

まだ眠気が残る朝方…
身体を揺すられて目を覚ます……。

「……ん……何だよ…?」

最悪の目覚めをしたものだと目を擦りながら揺すり起こしてきた張本人の方に目を向けると何やら
すごく不機嫌そうな顔──…。


「おいおい、朝からそんな顔してちゃーレディ達にモテないぜ?」
「誰もモテたいなど思っていない。それに…俺の眉間に眉が寄るのは少なからず貴様のせいだ神宮寺…」
「〜っ♪怖……っ、そりゃ、すまなかったな。で?朝から揺すり起こしてきて何の用だい?オレとしては、もう少し寝てたいんだがねぇ?」

ゴロンと俯せになり聞くと
信じられないものでも見るように真斗がじっと此方を見てくる───…。


が──


小さく呆れたように溜め息を吐き出し

「寝たければ勝手に寝ても構わんが授業に遅れても俺は知らんぞ」


真斗の言葉にハッとし
時計に目をやると
確かに今ぐらいから準備をしていたら充分間に合う時間ではある───…。


だが、言い方を変えれば
まだ余裕があるので、もう少し寝れると言うことだ──…。


どうするかは二つに一つ……。

そんな事を考えていると…


「言っておくが、俺はこれ以上起こしたりせんからな?」


何かを感じ取ったのか
素早く釘を打ってくる。


「…まったく素直じゃないね……」

クスリと笑って立ち上がり
制服にへと着替える。


「…………何が素直じゃないと言うんだ?」


壁に凭れたまま真斗はレンに問い掛けるが
レンは制服のネクタイを締めながら妖しげな笑みを浮かべて言う……


「オレと一緒に登校がしたかったなら、素直に言えばいいだろ?って話さ」


レンの言葉に呆気をとられた真斗は目を丸くして相手を凝視した……。


「ふざけたことを、抜かすな!いつ俺がお前と登校したいなど言った!大体、お前はな……っ」
「かーお。に書いてるぜ?ま・さ・と♪」

一瞬の隙をついて
真斗の顎に手を掛けて素早く上を向かせ視線を合わせながら、嫌味っぽく……けれど、どこか甘く囁く…

「………………なっ?!!」

一瞬の隙をつかれた真斗は
ちゅっと音を立てて唇まで奪われてしまう……。

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