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□ 闇に咲く恋の音
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「…………んっ」



いつの間にか寝て居たらしく
ふと目を覚ましたが
那月の姿は見当たらず…


まだ眠気でハッキリとしない感覚ではあるが
取り敢えず、枕の下に忍ばせていた携帯を手探りで探し、サイドボタンを押して時刻を確かめてみると

AM:05:00

と表示された。


「………マジかよ…」



自分がいつの間に寝たのか、どれくらい寝ていたのかは、よく分からないが
無償に喉の渇きを感じ
立ち上がろうとした時…



ズキリと腰が痛み
自分が全裸であったことを漸く理解する。


「………んなっ、なな…なっ!」



混乱しながらも、もう一度布団にくるまり冷静になって昨日の記憶を辿ってみると…


徐々に、昨夜のあの
艶めかしい光景を思い出した。


途端に顔や身体は沸騰する勢いで熱くなり
どうしようもない恥ずかしさに頭まで布団を被って出られなくなってしまう…。


(わぁ、わあぁ!わあぁー、どどど…どーすりゃいいんだ?那月の顔をどんな顔して見たらいいんだよ?!!)


必死にぐるぐると頭を回転させ
色々と考えていると


ドアがガチャリと開かれる音がした。


まだ準備の出来てない気持ちに焦り
どーやっても布団だけは捲られないように必死に中で押さえ込む。


ただでさえ煮えたぎりそうな身体で熱いのに
さらに布団の中ともなれば
洒落にならないくらい熱く息苦しいものではあったが
こんな顔を見られるくらいなら、まだマシだと必死に耐え続けた……。



「あれ?」


いつも以上に翔の布団が
もっこりと膨らんでいることに気付き静かに近付いて布団を剥ぎ取ろうとするが
中で翔が力一杯に押さえ込んでいる為すぐには剥がれない。


何かを察したのか
いつもは、しつこいくらいに布団を剥ぎ取ろうとする那月だが…
今日は簡単に諦め
代わりに布団の上から翔を包み込むように抱き締めると


「もしかして翔ちゃん照れてるんですか…?」


クスリと笑い混じりに
相手の耳元付近で甘く囁いた。
その囁きに翔の身体は小さく反応する。


「……翔ちゃん可愛い…」


ぎゅっと力を込めて抱き締めると
更に小さくなるのが分かった。
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