とある人物の聞いて聞いて話。
□初告白。
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→続き
それからも意識しつつ、普通に遊んだりしてしばらく経った時。
昼休みの教室の後ろ側で、コウが声をかけてきた。
なのに、なんかモゾモゾしてて何も言わないからどっか行こうとした時、手首を掴まれる。
と、コウの後ろ離れたとこにジンヤがいた。
こっちにちっちゃい声で「 いけ、いけっ 」てなカンジでコウに向かってなんかやってる。
「 あ、のさ…、……好き…なんだけど… 」
ホントに小さい声。
最初に出てきた感情が、
恥ずかしい!!!!
だった。
それから、
なんでこんな場所なん??
昼休みって…?
これって告白?
俺 男だけど??
ジンヤは応援してるんか?
ぐるぐるぐると纏まらない考えが巡る。とっさに手を振り払って
『 キモイ 』
そう言ってしまった。
最悪な奴だ。マジ最悪馬鹿ヤロウ。
一応その後にキチンと謝ってます。でも告白の事は、スルーしちゃいました。
コウもだいぶ傷ついたと思う。かなりの勇気がいっただろう。
今ならそう思えるのに、あの時の俺は恥ずかしさに負けて最低な事をした。
後でジンヤに呼ばれ、なんで断ったか言われたけど、なんて答えたか覚えてない。
それからもちろんコウとは疎遠。
俺はジンヤに不信感。
んで卒業間近まで、気まずいままだった。
俺の小学校の授業では、一人一人の名前が書いてあるマグネットがあって、先生が黒板で問題を解く生徒を当てる時に、名前マグネットを貼って使ったりしてた。
小学校最後の授業で マグネットが先生からそれぞれに渡され、「 勉強がんばったね 」的な言葉が一人一人にかけられる。
そしてその日の放課後、教室でジンヤにマグネットを渡された。
「 ずっと好きだった 」
という言葉と一緒に。
特に返事とかいらなかったみたいで、そのまま サッサと帰ってった。
どれくらいボンヤリとしてたのか、教室には俺だけ。するとそこにコウが。
正直、気まずい…
アレ以来 あんま関わってないのに、いきなり2人きりなんて。
コウは俺が教室にいるのがわかってたみたいで、真っすぐこっちに来た。
「 ジンヤに聞いた。僕も、これ… 」
と、マグネットを差し出す。
『 …ありがとう。大事にする 』
今度は俺、冷静に答えれたと思う。
コウもすぐ帰ってった。
そして俺たちは小学校を卒業した。
ウメは、頭のいい中学に行ってしまってバラバラに。
コウと ジンヤは同中学だったけど、コウは人気ある奴だし特に俺と関わる必要はなく、ジンヤは完全にヤンキー道まっしぐらしてた。
俺は…、まぁ普通。
今も実家に、その時のコウとジンヤと俺のマグネットがある。
あの時の事が、良い思い出とは言えないけど、人を傷つけてしまった後悔や ちゃんと話さなかった事や 自分の気持ちを整理できなかった事や、たくさんの教訓があった経験だった。
もちろん誰にも話した事はない。
以上、
初告白『 された 』話でした。
長くなってしまって申し訳ありませんでした。
読んでくれてありがとう。
では。