冷たい吐息が鼓膜を網羅する

さびた香りのする髪

私をさぐる手に口吸い

あまぁい蜜を啜るクマさん

まるで血を舐めるような音ね

誰かの引っ掻き傷を抉る

轡代わりに肩を貸してね



「指輪は外しておいた方がいいよ」






イヤラしい僕だけが映る瞳

綺麗だと言ってくれるのは貴方の指

咥えた貴方を飲み込んだ

彼女はとうとう逝ってしまった

イチジクを弄って予行演習

夜にだけ現れる恍惚の悪魔

粘着質な舌触り

貴方の足を汚した赤色

飛び散る汗が濁ってる



「周りの子は大げさね、全然痛くなかったわ」




つぅと撫で上げる嬌声

貴方の愛が垂れ流し

その欲に濡れた目が見たかった

赤い痕を月に見せつける

狼さんはこんな夜だけ優しいの

死んでもまた生き返る私たち

子宮口が焦がされそうだ!

桃の皮ごと噛みちぎって

ふわふわとした内股を食む

首筋を舐めとって





(一瞬だけでもいい、ゾクリとしてほしい)


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