使えそうな部分を切り取ってお使いください。
(良識の範囲内でつぎはぎ可)




月を砕いて髪飾りにしても星を摘み取ってグロスに混ぜても
花をすりつぶしてマニキュアにしても涙を溜めおいて香水にしても
愛を切り取って指輪を模しても心臓をえぐってあなたの胸にはめ込んでも
あなたには欠片も届かなかったのでした
まる



愛してほしいけど君はぼくが嫌いだというから
君の嫌いな僕の姿が消えるほど石鹸で体を磨き上げたし
君の嫌いな僕の顔が消えるまで整形し続けたし
君が憧れるようなバランスの取れた体つきになったのに
君ったらわがままで「前の方が好きだった」だなんて言うから
僕は「君が好き」な僕を全部すてて今ここにいるんだよ



扇風機の風に揺られる髪の毛を鬱陶しそうに手で押さえながら
私のベッドでふて腐れて横になっている君の心中をお察しした結果が
これですけどなにか問題でもありましたか?



僕らは似た者同士すぎて、お互い手を繋ごうとして指を伸ばすけど、
その事に気付いた瞬間、まるで磁石のN極とN極同士のように
勢い良く手を握り込んでしまって、しばらく無言になったりして、
そのまま僕より幾分か機転の効く君が話題を振るのを待って、
しばらく話し込んでから
さっきの失態をカバーするかのようにぎこちなく指を絡めてみたりして。
そのまま勢いで好きだとか言ってしまった時なんかには、
きっと君は耳まで赤くしながら眉をハの字にして困ったように微笑むのだ。



今日の一日を私の体に例えるならば、
きっとつま先から頭のてっぺんまで全部が好きなものでつまってるだろうし、
それは私を幸せな、特別な気分にさせるのみならず、
少しだけ感傷に浸らせて、
少しだけ私を見つめ直させてくれる余裕を生み出してくれた。
そんな一日が、一年に4、5回ぐらいあるならば、
きっと私、いつ死んでも構わないんだと思うの

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