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金剣
春の日差しは温かく心地よい。
だから無性に眠くなるものだ。
―眠い…
アルトリア・ペンドラゴン。常にぴしっとしている彼女に珍しくぼぅとしていた。
現在昼休み。
ランサーと一緒にご飯を食べた後、ランサーは次の体育の授業のため別れたのだ。
―これはダメだ…少し寝よう
昼休み終了まで後20分。
セイバーは屋上で一眠りしようと足を向けた。
ガチャ、
セイバーはアーチャーからもらった鍵で屋上に入った。
本当は立ち入り禁止なのだが一人になるにはこの場所が一番最適なのだ。
―…悔しいがありがたい
最初鍵は突っ返したのだが先生に頼まれてアーチャーを探しに行くときに結局使うので持つはめになったのだ。
「…ん?アーチャー…?」
日陰に向かうと見事な金色の髪、カバンを枕にして悠々と眠るアーチャーがいた。
―朝から見ないと思ったら…
セイバーは嘆息した。一体何時から寝ていたのだ。
腹が立ったので起こしてやろうと近づくと上下する胸の上に毛玉がいた。
「…猫」
子猫がアーチャーの胸の上ですやすやと眠っていた。
アーチャーは昔から動物に好かれる。
アーチャー曰く、動物は素直に強い者に従うからだと言っていた。
―わからなくもない
アーチャーという存在はいるだけで惹き付ける何ががある。
乱暴な挙動なのに彼のルールに従って筋が通っている。
だから皆ついていくのだろう。
「お前もか…」
安心しきって眠る子猫。
そうだな。そこは頼ってもいい場所なのだな。
穏やかな寝顔をみているとセイバーも再び睡魔が襲ってきた。
―タイマーもセットしたしな…
セイバーはふらふらとアーチャーの腹に頭をのせた。
人の体温は心地よく、セイバーは春風に撫でられながら眠りについた。
(寝よう)
(かのものの安心できる腕で)
→アーチャーサイド