□征服と激震
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コート内にはイスカンダル一人。
対立するコートには打倒イスカンダルという事で四チームが入り交じる。
イスカンダルのチームメイトはウェイバー(イスカンダルに無理やり参加させられた)を含め、最初から外野でコート二面を使いゲームが開始されたのだった。

「どりゃ!!」

「甘い!だが球筋は悪くないぞ!」

「ぎゃっー!」

「どうだ!」

「ふむ。外野と連携か…。面白い!こい!」

「でぇい!!」

「惜しい!出直せ!」

最初、生徒達はなめてかかっていたがイスカンダルはボールを巧みにとり、相手を当ててゆく。
チームメイトとは既に仲がいいのでイスカンダルチームのチームワークは最高であった。
外にこぼれた球をチームメイトが採り、当てる。

「やったぁ!!」

「おお、よくやった!!」

「はい!イスカンダル先生!」

コート内の打倒イスカンダルチームの数が減り、悔しそうに外野に敵チームがたまっていく。
そして、

「ふん!!」

「うっわぁ!」

イスカンダルが最後の一人にすぱっと当てた。

―ああ…

圧倒的力を見せつけられ敵チームが落胆する。
やはり体育は無理なんだ。

「…イスカンダル先生、」

「ん?なんだ?」

「なんでこんな事したんですか?」

一人の生徒がたまらず声をあげた。
先生は自分達を侮辱したかったのか?
からかったのか?
そんな思いがぐるぐると地下へ続く螺旋階段のように堕ちていく。
そんな空気が流れる中イスカンダルはひときわ大きな声で言い放った。

「もちろん、余が楽しみたかったからだ!!」

「「「…えー!?」」」

「やっぱり…そんな事か…」

ウェイバーは明後日の方向を向いた。

―痛いほどわかるぞーその気持ち…

生徒たちは唖然とイスカンダルを見上げる。
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