文
□作戦。
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「む、む、む、無理に決まってんだろ大バカ野郎!!僕の体育の成績を知らないのか!?」
「ん?そなたは学園一できる奴だと聞いとる」
「バッ、それ、は…」
ウェイバーはいい澱み、上の人間の目論見に気がついた。
「…それは、僕が学園一の秀才だからだよ」
ウェイバーは歯噛みした。
学園一の秀才ウェイバー・ベルベット。
他の学園でなら誉め言葉であるがこの学園では違う。
この学園では体育、文化の順で誉れ高い。
勉強はできて当たり前、もしくはほどほどに出来ればそれでいい。
それよりも゛+α゛をしている事が重要だった。
―学園一の秀才、…勉強しかできないウェイバー
それがウェイバーの屈辱的な呼び名なのだ。
「お前、ハズレくじを引いたんだよ。僕は勉強しかできない。体育成績はビリッケツだ」
ウェイバーは下を向いた。
上の連中はイスカンダルを総代にさせないためにウェイバーをパートナーにしたのだ。
「おお!!そなたは頭が良いのだな!!それはよい。早速作戦をともにたてよう」
「え?」
あまりにあっさりと言われてウェイバーはぽかんとした。
「な、何がいいんだよ!?先生、いや、お前は運動音痴の代役を押し付けられたんだよ!!」
「案ずるでない。競技には余がでる」
「でるって…仕事優先って言われてるじゃないか!!」
「仕事もこなす。大体それは最低限の事ではないか。学生に勉学があるように先生には授業がある。そこを履き違えんわ!」
ビシッ、とデコピンで頭を弾かれウェイバーは仰け反った。
「いったぁああ!!何すんだよバカァ!!」
「案ずるなこの総代選挙は……。…坊主、まさかあれほどの資料を読んで何も気がつかなんだのか?」
「え?…な、何が…?」
ウェイバーは記憶をさらったが何も浮かばなかった。
「…ふーむ。なるほど」
頭をかしげるウェイバーをイスカンダルは腕を組み見つめた。
ウェイバーはだんだん腹が立ってきた。
「何だよ!!」
「坊主、総代と生徒会長を兼任したものは何人いた?」
「は?」
怒り浸透だったウェイバーに投げ掛けられた言葉は意外すぎて固まった。
「た、たしか……初代の総代だけだったはずだ…」
「やはりな」
ウェイバーが答えるとイスカンダルはニヤリと笑った。
その顔をみるとウェイバーは無性に反抗したくなった。