文
□曖昧な三角関係
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ランサー→幼なじみ。同学年
セイバー→幼なじみ。同学年
アーチャー→幼なじみ。一個年上のダブり。
もきゅ、もきゅ。
先ほどから夢中で口を動かすセイバー。
ランサーは綺麗にまとめられた頭がぴょこぴょこ動くのを眺めていた。
折り目正しいセーラー服をきて、弁当の前に正座して食べる彼女。
ランサーは彼女より一回り小さな弁当を持ち、問いかけた。
「どうだ?セイバー」
「とても美味しいぞ。ランサー」
キラキラと目を光らせて弁当食べるセイバーをみてランサーは笑みを浮かべた。
ちなみに作ったのはランサーである。
―ふむ
セイバーのくいっぷりにランサーは見ていて清々しい。
みるみるうちになくなるおかず達が何よりと美味しいと語っていたようだ。
作った身であるランサーは嬉しく思った。
「こ、これは…!!」
「!?な…なんだ?」
「ランサー!!これはなにが入っているのだ?サクサクとしていて香ばしい!」
「ああ。かき揚げか?春だからな桜エビを入れたのだ」
「なんと美味しい。ランサーは天才だ」
「ははっ。また作ってやろう」
「頼みます」
満面の笑みを浮かべながらセイバーは最後のかき揚げに箸を伸ばした。
がそれよりも早く手が伸び、かっさらっていった。
「…っつ!!アーチャーか!!」
「ふむ。悪くないな。まあまあだ」
後ろに立っていたのはもごもごと咀嚼するアーチャーであった。
立ち上げた金髪は目に痛いほど鮮やか。
だが同じ金髪のセイバーに比べ柔らかさに欠けているように感じる。
いで立ちは不良そのものである。
だらんとした制服にじゃらじゃらとしたチェーン。
だが普通の不良と違うのはその一つひとつの持ち物が超のつく一級品であり、それを着こなす彼自身のオーラである。