携帯獣小説

□イジワル
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※付き合ってる設定です。




「デーンジさん!」

で俺は作業をしていると、
後ろからよく知った声が背中に響く。

「…ん、ヒカリか。」






イジワル







「…また…ジム改造ですか?」

手元に集中していて、ヒカリの方へ向かない
まま返事をした俺が嫌だったのか、
少しムッっとした声で話す。


「ああ」
「いい加減にしてくださいよ!
 これ以上仕掛け増えたら私ジムで
 デンジさんに会えなくなっちゃいます。」
「ヒカリならこれくらい簡単に解けるだろ」


ヒカリはそうじゃなくて…と言いかけたが、
ずっと作業を続ける俺を見て…イジワル
と小さく呟き、俺と背中を合わせで冷たい
コンクリートの地面に座った。
背中からヒカリの肌の熱が伝わって温かい。
そんなほっとする温かさが俺は好きで、
思わず顔が緩んでいた。



それからは俺は作業しながら二人で
他愛のない会話をした。
それから30分くらいたった頃だろうか。
急に扉がバンと開けられて、また聞きなれた
声が俺の作業部屋に響いた。


『よお!デンジ!
 ちゃんとジムリーダしてっか』
「あ、オーバさんだ!」


ヒカリはオ―バの元へ駆けて行く。
それと同時に、背中の温かさが消えていく。
この熱が名残惜しいと思ってしまうのは、
何故だろうか。


『ん、ヒカリじゃねえか。邪魔すんな。』
「あ、いえいえむしろかまってくださいよー
 デンジさんが作業に夢中で…」
『ああー…こいつちっせえ頃から
 こんなだかんなー…』


俺はやっとオ―バの方に振り向くと、
オ―バにじっと見られているのに気づいた。
ていうか若干睨んでる。


「おう、オ―バ。何だよ…そんな見んな」
『はぁーお前なあ…よっしヒカリ!
 オ―バ兄ちゃんが一緒に遊んでやんよ!』


オ―バはヒカリに向けてポーズをとると、
ヒカリはわーいとはしゃいでいた。



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