紙の切れ端

□冬の温もり
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【冬の温もり】



火鉢に手をかざしなから女は言う

「元就様、冬は人の温かみ知るために有るらしいんですよ」

「戯言を。 冬とは四季の一つ、だたそれだけの事ぞ」

筆を手に男は冬のよう冷めた言葉を男が言い放つ

「元就様は現実的ですね」

「……」

男は女の言葉に答えず筆をただ動かす

「…、だが、常夏よりは人肌が恋しく思えよう」

男から出た言葉に女は驚き男の方に向けば、松の茶色を取った様な髪から耳が赤みを帯びているのが見えた

「そうだ、元就様。 良ければ休息がてら、庭の松を見ながら茶にしませんか?」

「茶か。 菓子は大福ぞ」

「はい。 最近の元就様は何かを考えているようでしたから、きっと良い案が出ますよ」

男は先ほどまで使っていた筆を丁寧にしまい

立ち上がると女の手を緩やかに取り

頬に触れるだけの口付けをしたと思えば、照れ隠しの様に少しばかり強く女の手を引き部屋を出る

その時の二人の顔は頬や耳まで赤く染め上がりながらも幸せそうだった





(松の花言葉は向上心。 我の考え事は貴様とこれからのことよ)





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リクエスト有り難う御座います!
甘めを目指して書きました!

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