玩具 ━ オモチャ ━
□始まり
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― あの頃ボクはいつも浩二くんと遊んでいた。
鬼ごっこ・かくれんぼ・缶けり…
『俊はいつもグーを出す。だから和則お前はパーを出すんだ、俺と一緒にな…』
ジャンケンをする前いつも浩二くんは耳元で囁く。
そして二人で一緒に隠れると、浩二くんは決まってこう言った。
『お前が好きだ、誰よりも…』
浩二くんの唇がそっと触れる度、恥ずかしながら胸がドキドキしたのを覚えてる…
そしてボクは思っていた…
『僕達は親友なんだ。大きくなっても歳を取っても、ずっとずっと親友なんだ』
だけど浩二くんは変わってしまった。
ううん、変わったのはボクの方なのかもしれない…
けどボクは分からない…
いつからこうなってしまったのか…
何故こうなってしまったのか…
誰か知っているなら教えて欲しい…
浩二くんを憎む前に…
自分を見失う前に…
ボクが消えてしまう前に…