玩具 ━ オモチャ ━

□始まり
1ページ/31ページ

 





― あの頃ボクはいつも浩二くんと遊んでいた。


鬼ごっこ・かくれんぼ・缶けり…




『俊はいつもグーを出す。だから和則お前はパーを出すんだ、俺と一緒にな…』




ジャンケンをする前いつも浩二くんは耳元で囁く。

そして二人で一緒に隠れると、浩二くんは決まってこう言った。



『お前が好きだ、誰よりも…』



浩二くんの唇がそっと触れる度、恥ずかしながら胸がドキドキしたのを覚えてる…


そしてボクは思っていた…


『僕達は親友なんだ。大きくなっても歳を取っても、ずっとずっと親友なんだ』




だけど浩二くんは変わってしまった。

ううん、変わったのはボクの方なのかもしれない…


けどボクは分からない…


いつからこうなってしまったのか…


何故こうなってしまったのか…



誰か知っているなら教えて欲しい…


浩二くんを憎む前に…


自分を見失う前に…




ボクが消えてしまう前に…





 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ