銀魂小道

□H・M・C!!
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「きーんときくーん、来たぜよー!」
「だぁぁぁ、るっさい馬鹿。」

チャイムを連続で押す馬鹿が、無遠慮に戸を開ける。

「寒ぃよ、閉めとけ。」

背中を向けて奥へと進むと、素直に戸を閉める音がした。

「何じゃぁ、ずいぶん家がこじゃんと散らかりゆうのぉ。」
「どうせ今日、お前が騒ぐだろーが。二度手間なんてしたくないの。」
「あっはっは、さすが金時!サボり知恵だけは働くんじゃな!」
「一言余計だ。つーか俺銀時な、銀時。決まりきったボケをするんじゃありません。」


荷物を置いて、年末の街へと買い物に向かう。
今年は年末年始に辰馬の休みが取れたから、誰にも邪魔されずに二人で年を越す。
今日はそのための準備だ。

「金時!黒豆買うた?」
「おう。」
「伊達巻とかまぼこにかずのこ、いくらは?」
「おう。」
「お酒と小海老の佃煮、松前づけ、えーと、後は・・・。」
「あぁもう、メモに書いてあるモンは全部買ったつーの。」
「だって、忘れ物したら洒落にならん・・・。」
「まだ店は閉まんないだろーがよ。」
「あぁ、金時大変じゃ、大掃除の道具と餅、それから小豆!!」
「うん、人の話聞け。」

大変だ大変だと、あたふたする辰馬。
いつもよりはしゃいでいるのか、今日は少し声が大きい。
喜びが素直に態度と笑顔に出る辰馬がいとおしく思えて、つられて俺までほほが緩んだ。
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