銀魂小道

□君の髪
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君の髪 ―桂―

はじめはずいぶんとくるくるした男だと思った。
少したって、ずいぶんとよく笑う男だと思った。

俺は暇なとき、あやつの頭をいじるのがくせになった。
猫も犬も居ない戦場で、楽しみを感じることのできる時間だった。
生も、死も、考えなくていい。そんな時間。

あやつもはじめのうちは不思議そうな顔をしていたが、そのうちに慣れたのか何も言わずに俺になでられていた。

その終わりはずいぶん唐突に訪れた。

宇宙に行くといったあやつを、銀時は止めもしなかった。
あやつは俺に何も言わなかったが、出発の前日、いつもより長くなでさせてくれていたのは覚えている。


あのころと比べて、幾分か平和になったこの場所。
猫も、犬も、あやつから送られてきたエリザベスも居る。

ふわふわした猫を見ると、たまに思う。
あやつの髪を懐かしく思う。

この広い空を飛んでいるであろう毛玉。
いまごろどうしているだろうか。
手を伸ばしても届かない、途方も無い場所に居るであろう毛玉。

どこかに引っかかっていないといいが、
またここに落ちて来てくれないだろうか。

もう一度、もう一度。


END

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