緋と蒼

□蒼、蒼蒼
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“人魚”







ーー其れはお伽話に準えて名付けられた








人の間









ごく稀に生まれて来る









「亜人」の俗称ーー















ーー世界は未だ未開に溢れ







大海を帆船が駆ける此時代に於いても








彼等は貴重な存在であり








美しい鱗こそ持ち合わせてはいないものの








陸〔おか〕で白く渇いている髪は










海水に浸ることで本来の色を取り戻すーー













ーーそして









其れは時として個々の容姿や











髪色に準じて貴族の観賞用や愛玩といった類の目的の為に









闇市場で高額売買されることもあるーー













‐‐‐―それが、“人魚”と云うもの。













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