恋愛モノa

□波紋(2)
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ー堀田クリニック

 はぁ、はぁ…。
 慌てて病室に戻ったせいで、肩の痛みがひどくなった。

…最低の気分。

 法廷で連敗し、肩を撃たれ…今度はなに?私のせいで華宮霧緒が有罪になりかけたですって?!
 また……この私がまたミスを…。

 もうこれ以上、天才検事を演じ続ける事は出来ない。化けの皮が剥がれたって事ね…。

 ベッドに横たわる。
…何だか疲れた。立っている事さえ煩わしい。

 華宮霧緒…私のせいで人生が狂うところだった依存症の女…でも、誰かを利用するなんて、いくらでもやって来た事じゃない。今更何を気に病むの?完璧な勝利のためには必要だった!
なのに、なのに何故、あの男の非難の眼差しが胸に突き刺さるの……勝ちたかったのよ!どうしても!最後のチャンスだった!
成歩堂 龍一、あなたに勝ちたかった…私を認めさせたかった…でも結果はこのとおり…最悪。私はただの敗北者として記憶に残るのかしら、永遠に。

 …結局、レイジの背中に手が届かなかった…。
「ツッ!」
 肩が痛い…。
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