復活短編
□たまにはスポーツを
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バシッ
パシンッ
ドスドスドスッ
フランが打ち返すと同時に、普通のバトミントンでは絶対に聞こえない音が聞こえた。
「ベルセンパーイ、打ち返しながらナイフ投げないでくださいよー、痛いじゃないですかー」
「うっせ、つーか死ねよ」
「この人ひどいですー」
「だってオレ王子だし」
「意味が分かりませんよー、ベルセンパーイ。ほんとにミーより年上ですかー?」
「どういう意味だよっ」
バシンッ
ベルがジャンプしてスマッシュを打つも、あっさりとフランはそれを拾う。
「だってー、なんか大人気ないって言うかー、バトミントンごときに罰ゲームをつける辺りがもう子供って感じじゃないですかー」
バシッ
パシンッ
ドスドスッ
ベルが打ったシャトルを、フランが打ち返すと同時、フランのカエルの被り物にナイフが刺さる。
「センパイ痛いですー、あー、涙出てきた」
「しししっ、ハリネズミにしてやんよ。クソガエル」
「思いっきり矛盾してるじゃないですかー」
「うっせ」
しばらくラリーが続く、というよりも、もう一時間もこのラリーは続いているのだが。
「しっかし、なんでこんな皆おっせーの? もう王子疲れてんだけど」
「じゃあ、さっさと落とせば良いじゃないですかー」
「やーだねっ♪ お前に勝ちなんか譲ってやんね」
そう、フランが始めたこの遊び、当然オリンピックなどでやっているような、ただのバトミントンな訳がない。
ラリーを続けて、落としたほうが負け、負けた方は、少々スプラッタな目にあうという、ヴァリアー独特のルールつきだ。