復活短編

□たまにはスポーツを
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「なんで王子がこんな事しなきゃなんないわけー?」


イタリアの某所にある城の中庭で、金髪の青年は腕を上から下に振りながら、そんなことを口にする。



「しょーがないじゃないですかー。他にやることなんてないんですしー」


金髪の青年の言葉に答える、カエルの被り物をした、緑色の髪をした青年は、下から上に腕を振った。



パシッ


という音とともに舞い上がった、後ろに羽が付いていて、先端には丸い半球体がつけられたもの。



「ってか、なんでこんなもんが、ここにあんの?」

「あったんだからいいじゃないですかー」

「だーからー、なんでヴァリアーの武器庫にバトミントンのラケットとシャトルがあるわけ?」



彼等は、金髪の青年、ベルフェゴール、通称ベルとカエルの被り物をしている青年、フランが所属しているのは、マフィア界で名を知らぬものはいないとも言われている、ボンゴレファミリーの独立暗殺部隊、ヴァリアーという組織。



暗殺部隊、簡単に言うならば、人を殺す組織なのだ。なのに、何故そんな組織の武器をしまうはずの武器庫に、平和な球技の道具があるのか……、知っているはずのフランは、


「知ってるわけがないじゃないですかー」


と、人の神経を逆なでするような間延び口調で、金髪の青年の問いに答えた。



「なんで取ってきたんだよっ」

「たまたま武器庫に行ったらー、発見したんですー」

「持ってくんなよっ」

「とか言いながら、ちゃっかりやっちゃっますよねーベルセンパイ。さっすが堕王子」

「てんめ」


ベルは、ラケットでシャトルを打ち返しながら、袖からナイフを取り出した。
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