長編

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「そういえばあいつ暗闇が嫌いだったな」
「じゃあ何で入ったんスかね…」
「プライドも…高いから」
「ああ…」

今俺達は迷子の迷子のニャン子ちゃんを迎えに暗闇の洞穴に向かっている途中だ。
全く、行動力があるのはいいと思うけど、こんなんじゃ意味はない。

草むらを歩きながらそう考えていると先頭を歩いていたコトネが足を止める。
「ここが暗闇の洞穴です」
コトネが指を差している方を見ると、入る前からドンヨリとしている入り口。ニャン子はよく一人で入れたなと感心をした。
とにかく入ってフラッシュを使う。

「ニャン子先輩ー!」
「ニャン子ー!」
洞穴の中で俺達の声が反響する。すると奥の方から蚊の鳴くような小さい声で返事が聞こえて、どこだどこだと俺達は周りをキョロキョロ見回すとまた声が聞こえる。

「ニャン子?」
後ろを振り返ってみるとずっと奥にある岩の上らへんにちょこっと出ている見慣れた緑の帽子。
「ニャン子先輩迎えに来ましたよ」
コトネはゆっくりと岩に近づく。
岩の後ろを覗き込むと縮こまっているニャン子の姿を発見したと合図をしてきた。
そのままコトネに手を引かれながら迷子のニャン子を助け出すことが出来た。
一体どっちが年上なんだか。
とにもかくにもワカバタウンに帰ったらみっちり事情聴取をしてやる。







見つけられた君





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