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□あまのじゃく
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「先輩先輩!!あったかい飲み物買ってきましたよ!右と左どっちがいいっスか?俺的に右のがオススメです!」
『じゃあ左』
迷う仕草を一つも見せずに俺の一言だけで先輩はいつも決める。
そう、俺が右と言えば先輩は左と言う。
さらにいえば俺が上と言えば下と言うし、いわゆる先輩はあまのじゃくなのだ。
いつもツンツンしてるけどそんな先輩が俺は大好きだ。
「はいどーぞ」
『ちょっとゴールド、どうゆうつもり?私確かに左って言ったわよ』
「俺には右って聞こえたんで」
そういって右のココアを先輩に渡して俺は左側のコーヒーを開ける。
先輩は手渡されたココアをじっと見て少しはにかんだ、様に見えた。
「おいしっスか?」
『…普通』
「でもあったまるっスよね」
『別に寒くなかったもん』
そういいながらも温かいココアをしっかりと握り締めて暖をとっている。
『てゆーか…ゴールドがコーヒーなんて生意気』
「じゃあ取り替えます?」
『うん…ん?は?何言ってんの?』
「俺がコーヒー飲んでたら生意気なんでしょ?」
『でもゴールドそれもう飲んでるし…』
「いっスよ俺は別に」