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□濁った瞳
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死ネタ注意





痛い。ジンジンと痛む私の右腕からは赤黒い血液がドクドク流れている。
未だ驚きを隠せない私を見つめレッドは言った。

「どうしてニャン子は俺の言うこと聞いてくれないの?」

じりじりと近寄ってくるレッドに私は後ずさりをする。
レッドの手には私の血で染まった果物ナイフ。
それが嫌でも私の視界に入って悪い連想をさせる。

いつの間にか私は壁と背中合わせになっていてこれ以上は後ろに下がれない、もう逃げれない。
「怖い…?」
『あ…ぅ…』
恐怖で声が震えて上手くでない。
質問に答えなかった私にいらついたのか、レッドは私の髪の毛を思い切り掴み力任せに引っ張る。
その力に耐え切れず私は床に吹き飛んだ。

レッドまた一歩ずつ近づいてきて私の太股目掛けてナイフを突き刺してきた。
痛みに泣き声をあげると「うるさい」と言われ頬を本気で叩かれる。

涙を目に浮かべながら口に手を押し当てて泣き声をあげないようにした。
頭の中は混乱していて何がなんだか解らなくなってきていて、完全に感覚が麻痺してきている気がする。

レッドのすること全てが恐怖の元となり、小刻みに震える肩は時々大きく震える。

「ニャン子はなんで約束破るの?あれだけグリーンに構うなって俺言ったのに、さ!」
刺していたナイフを抜くとそこからはまた血が溢れ出てくる。
私は口に当てている手に力を込めて痛みに耐えた。

「どうすればわかってくれるかな…」
一人でブツブツ考え事をしているレッドの表情はどこか楽しそうに見えた。

こんなのおかしい。
私の知っているレッドはこんなんのじゃなかった。
誰なの貴方は誰。
レッドの顔で、身体で、声で、綺麗なレッドを汚さないで。

何かを思いついたらしく、私の目をレッドの手で隠す。
何も見えない恐怖は凄まじいものだ。
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