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□ツンツンデレリン
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ピンポンピンポーン♪

家の呼び鈴をしつこく押す音がする。
少し間が空いてからドンドンと扉を叩く音。
こんなのはいつものことで、どうせ扉の前にはあいつが立って待っているんだ。

『ファイアかレッドー!!いるのは分かってるんだから早く開けてよー!!』

その他にも寒いだとか凍死するだとか訳の解らないことを叫んでいる。
全くあいつはいくつなんだ。
今はレッド兄がいないから俺しか扉を開けれる人はいない。
正直寒いから動きたくなかった。
ガックリ肩を落としながら自室を出て玄関に向かう。

鍵を外し開けてみると頬をピンクに染めたニャン子が立っていて、何で早く開けてくれなかったの!?と文句を言ってきた。

「ニャン子声デカい…、近所迷惑だからやめろ、あと呼び鈴は一回しか押すな」
『寒かったからしかたないじゃん、早くあったまりたいよ〜寒い寒い…』
「子供は風の子元気の子」
『え?何それ私が子供って言いたいの?』

頷くとニャン子は頬を膨らませ睨んでくる。
とりあえず中に入れてやるとわざとらしくあー寒かった、と一言言って家にあがる。
はいはい、と目で聞き流すとまた睨んできた。可愛いげのない奴だなまったく。

『ねーねー、レッドはまだシロガネ山から帰ってきてないの?』
「うん、そろそろ帰ってくると思う」
『早く帰ってこないかなー、お楽しみを用意してるの!今日はそれを渡すために来たんだ』
「うわ、悪い想像しか出来ねぇ」
『そんなこと言うんだ!せっかくファイアにもあるのにさ、あげないんだからね!』
「…」

今から俺の心の中で緊急会議を始めます。

まじ?それまじで言ってる?
俺にくれないの?
そりゃ悪い想像しか出来ねぇとは言ったけどいらないとは言ってない。
ああ、こんな性格だからきっとニャン子はレッド兄の方ばかりいくんだな。
後悔先にたたずってこういうことか。
結論、素直になること。
これは俺にとって勉強よりも難しい。
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