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□雨の訪問
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「傘ないの?」
『…見てのとおりですが』
「名前なんだっけ?」

バカにしてるのか。
私は必死に苛立ち抑え、ニャン子、と一言言うとファイア君は、あー思い出した。って…思い出すも何も一年間ずっと一緒のクラスだっただろ、と私は呆れた。

『帰らないの?』
「帰る…けど?」
『じゃあ早く帰れば、バイバイ』

「…」

何で黙ったまま可哀相な目で私を見るんだ。別に私ずぶ濡れで帰っても大丈夫ですが。ただ今は少し雨宿りしたいだけ、でして。


『…何でずっとここにいるの?』
「雨宿りしたいから」

同じ考えかよ、クソッ。

『傘の中ですればいいじゃん』
「それは雨宿りって言わないし」
『そうでした』
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