企画
□もしも、元就が歴史の先生or評論家だったら…?
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◇学校の先生の場合◇
※ある生徒視点。
(はあ………)
歴史の授業中。
私は心の中で盛大に溜め息を吐いた。
歴史自体は嫌いではないんです。
先生も嫌いではありません。
ただ、熱くなり過ぎるというか……、
「…――で、七年に及んだ美濃攻略は終わり、信長は稲葉山城の名を中国の故事に習って岐阜と変え、この頃から"天下布武"の印を用い始めたんだ」
今日も初っぱなから熱く語り、生徒は置いてきぼり。
普段は温厚でぽやーんとした先生なんですが、授業となると一変します。
「じゃあ山田君、天下布武とはどういう意味か答えなさい」
「山田じゃなくて山本です。間違わないで下さい…」
「どっちでも良いよ、細かいことは気にしない気にしない。
それより天下布武の意味を説明しなさい」
酷い言い種ですよね。
山田…じゃない、山本君が哀れですよ。
「……えぇっと…天下に…、」
「はい、不正解。
天下に武を布(し)く、"武を以て天下を取る"って意味なんだ」
ちゃんと答えてないじゃないですか。
最後まで聞いてあげて下さい…。
キーンコーンカーンコーン。
「実際信長の戦は苛烈だったからね、恨みを買う事も人一倍だったみたいだよ」
チャイムがなっても授業は中々終わりません。生徒達は互いに目を見合わせ、困惑気味。
なら素直に先生に言えばいいのに、と思うのですがそうもいかないんです。
「…先生、チャイムが鳴りました」
1人の生徒が勇気を出して先生に苦言。
しかし、
――シュッ!!
「人の話しは真面目に聞こうね?これは基本中の基本」
「ΣΣは、はいぃぃぃ…!!」
出ました、秘技・チョーク飛ばし…!
顔面スレスレに飛んで来たチョークは後ろの壁に突き刺さってます。あのチョーク、実は釘なんじゃ……。
というか、チャイムをガン無視するアンタはどうなんだ、と皆が心の中でツッコミを入れた瞬間でした。
「ふぅ…仕方がないから終わりにしようか」
良かった、今日はすんなり終われた…!!
皆が安堵したのですが、甘かったみたいです。
「放課後に補習しよう」
「Σえぇ…!?」
それはないよ、先生…!
別にふざけてた訳でもないのに、補習とかどんな仕打ち!?
寧ろ皆、生真面目に授業を受けてたでしょ…っ!!
「……あれ?おかしいな。
返事がないね」
「………」
「…どうやら次は黒板消しを飛ばして欲しいみたいだね(黒笑」
「(Σギャーっ!!)はい!!やります、喜んで受けますっ!!」
「宜しい。
じゃあ授業を終わらせようか。
日直の田中くん、号令お願いね」
「田中くんは2人居ます」
「…じゃあ、毛穴が多い方の田中くんで」
どういう選出…?
――ガラガラ、ピシャン。
大体、毛利先生の授業は毎回こんな感じで、私達生徒は困ってます。
「なあ、補習とかバックレようぜ。めんどくせー」
「だよな、そそくさと帰っちゃえばこっちのもんだよな」
と、中には反抗的な男子生徒達も居ます。
――ガラガラッ!!
Σビクーッ!!
「逃げたらどうなるか……分かるよね?(黒笑」
「逃げません、断じて逃げません!!」
「じゃ、放課後ね」
――ガラガラ、ピシャン。
結局、逃げられる術は私達にはないのであった。
◇◇◇◇◇◇◇
評論家の場合も↑のような感じなのであえて書きません(笑)
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