ごちゃまぜ

□風邪に良く効く特効薬は...
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「くちゅん!」

リビングに響く小さなくしゃみ
私はそれを聞き逃さなかった

『猫玲風邪ひいた?』

「ふぇ?」

振り返った猫玲の顔は赤みを帯びていて、何処か苦しそうだった

猫玲を手招きして小さなおでこに手を当てる

『ありゃ...熱があるなぁ、猫玲大丈夫?』

「んぅ...わか...なぃ...くしゅっ」

これは...結構熱高いな

とりあえず猫玲をベットに寝かせ、冷えピタを貼る

さて、薬を飲ませなければ

『猫玲、何か食べれる?お薬飲まないといけないから』

「がん...ばる...」

『うん、偉いね』

頭を撫でれば、嬉しそうに目を伏せる
それを見て、私はお粥を作るべく台所へと向かった


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『猫玲起きて、お粥出来たからたべよ?』

「ん...あぃ」

枕を猫玲の背中に当て、上半身を起こさせる

『自分で食べれる?』

そう聞くとプルプルと首を左右に振る
私はお粥をお椀に移し、レンゲを猫玲の口元に運んだ

『あーんして』

「あ...」

小さくを開いた口にレンゲを運ぶ
猫玲はムグムグとお粥を食べ、しばらくして飲み込んだ

『どぅ?まだ食べれる?』

「ごしゅじ...もっと」


どうやらお粥を気に入ったらしく、その後も順調に食べ進めていく

『はい!おしまい!頑張ったね』

「えへへ...」

『じゃあ今度はお薬飲もっか』

ビンから錠剤の風邪薬を手の平に出し、水の入ったコップと薬を手渡す

「.........」

『猫玲?』

「......や」

『え?』

「これ...や......にがいのやだ」

どうやら錠剤が嫌らしく、私を見てイヤイヤと嘆いた

『でも、飲まないと治らないよ?』

「だって...にがぃ」

『お水いっぱい飲めば大丈夫だよ』

「飲んだら...ご主人...褒めてくれる?」

『うん!勿論!』

「じゃあ...がん...ばる」


猫玲は錠剤を口に入れたと同時に水を飲み始める
やはり苦いのか、目にはジワリと涙が浮かんでいた

「けほっ...」

『ちゃんと飲んだ?あーんして』

「あー」

涙目になって口を開いた猫玲
口の中には錠剤は残っていなかった

『偉い偉い!ちゃんと飲めたじゃない』

猫玲を抱きしめて頭を撫で回す
すると私の服をギュッと握って擦り寄ってくる

「ごしゅじ...が、褒めて...くれるから」

ふにゃりと笑った後、猫玲は眠りに入ってしまった

布団をかけて、早く猫玲が走り回るようにと心の中で願って私は部屋を出た



風邪に良く効く特効薬は...

大好きなご主人様!!

(ご主人!僕元気になったよ!)
(あんまりはしゃぐとまた振り返すよ?)
(そしたらまたご主人がお世話してくれるもん!)
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