ごちゃまぜ

□あなたの温もりに包まれて
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「ご主人!ご主人!」

エメラルドグリーンの尻尾をユラユラと揺らしながらこちらに駆け寄ってくる小さな男の子

『どうしたの猫玲』

「えへへ、ご主人これ読んで!」

差し出されたのはこの間私が買ってきた絵本

猫玲は見た目は10歳くらいだけれどまだまだ子供で、まだ少ししか文字が読めない

『今夕飯の食器片しちゃうから少し待っててね』

「うー...はい」

シュンと垂れ下がった耳と尻尾

『すぐ終わるから...ね?』

頭を優しく撫でれば、尻尾はすぐに上を向き、左右に揺れ出した
分かりやすい...

「うん!僕待ってるね!」

猫玲はそう言ってご機嫌でキッチンを出て行った
さて、早く食器を片付けてしまわねば


それから少しして猫玲が待つソファーへ向かった

『お待たせ』

「わぁい!ご主人早く早く!」

私がソファーに座ると待ってましたとばかりに私の膝の上にちょこんと座る猫玲

「僕ちゃんと待ってたよ!偉い?偉い?」

紫と金のオッドアイをクリクリさせながら見上げてくる
また頭を撫でながら優しく微笑んだ

『偉いよ、猫玲はいつだって偉い』

「えへへ...」

ふにゃりと微笑んで視線を絵本に移す

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絵本を読みはじめてしばらくして、猫玲の頭がコクんコクんと揺れ始めた

『猫玲、眠い?』

「ん...」

『今日はここまでにしようか』

「やぁ...」

本を閉じようとするとイヤイヤと首を振る

「まだ...やめちゃ...やぁ...」

顔を上げて抗議するが、猫玲の目はトロンとしていて今にも意識を手放しそうだった

『明日続き読んであげるから』

「......ほんと?」

『うん本当、だから今日はもう寝よう?』

「ごしゅ...じ...一緒に寝てくれる...?」

『良いよ』

「えへへ...やった...ご主人と寝るとあったかいんだもん」

そう言うと、気が抜けたのか私の腕の中で夢の世界へ堕ちていった
クスリと笑い、すやすやと眠る小さな男の子を抱えてリビングを後にした


あなたの温もりに包まれて

(今日も素敵な夢を見る)
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