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□この時期だからこそ
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冬も中旬に入り、気温も一桁が当たり前になってきたこの時期
私は暖かい紅茶を飲みながらテレビを見ていた

『うぁー...もうやだ』

「どうしたのマスター」

天気予報を見て一人唸る私にレンが不思議そうに尋ねる

『聞いてよ、明日も最高気温一桁だって』

「え?あぁ、そうだね」

視線を私からテレビの天気予報に移して答える

『本当もう何で冬なんかが有るわけ?私そのうち凍死するわ』

「そう?俺結構冬好きだよ?」

そう言いながらハニーレモンティーを片手に私の隣に腰を落とす

『何で?』

「この時期だからこそ出来る事もあるから」

得意げに言って紅茶を一口

『えー...だって冬って寒いし、耳とか足元とか痛くなるし、太るし...』

「だからさマスター、明日一緒にどっか行こうよ」

『レン聞いてた?私今どれだけ冬が嫌いかを語っていたのだけれど??』

私の話は無視なわけ?
しかもよりによって外出なんてありえない

「えー...?良いじゃん」

『やだよ、寒いもん』

その後は「行こう」『嫌だ』の繰り返しで全然話が進まない
全くもぅ...

『何でそんなに外行きたいのよ、一人で行けばいいでしょ?』

「マスターと一緒じゃないと意味ないんだよ」

『え?』

「だってさ...」

゙寒いからマスターとずっとくっついてても平気でしょ?゙

満悦の笑みで言うレンに私は折れるしかなかった



この時期だからこそ

出来る事があるって言ったでしょ?


(明日はマスターから離れてあげないから)
(いや、あんまり外でくっつかれると恥ずかしいんだけど)
(俺は恥ずかしくないもん、むしろ他の奴らに見せ付けてやる!)
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