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□それは君だけ
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向かいあって座るマスターがじっと俺の顔を見てくる
正直バナナが食べずらくてしょうがない

「何?マスター、俺そんなに見つめられると穴空いちゃいそうなんだけど」

『レンってさ...狡いよね』

「は?」

危うくバナナを落としそうになった
何いきなり...

「何が?」

『だってさ、レン男の子のくせに色白だし、細いし、髪サラサラだし、スタイル良いし...女の私より可愛い顔してるし』

「ゴメンマスター、全っ然嬉しくない」

得に一番最後、もう褒めてないからねそれ

『ほら、そうやって私が持って無いもの沢山持ってるくせに嬉しがらない所も...狡いよ』

そう言って一人で拗ねたようにプイッと目を逸らすマスター
全く、何でこの人はこうも可愛いのか

マスターも、十分可愛いのに...何で自覚してないんだよ

「マスターだって俺に無いもの持ってるじゃん」

ぴくりと反応してこちらを向く

『た、例えば?』

「身長とか」

俺に無くてマスターが持ってる物
俺、物凄く欲しいのに...

『身長...だけ?』

「細くて綺麗な指とか、俺マスターがパソコンのキーボード打つ所好きだよ...あとは...」

ちゅっとリップ音を立ててマスターに短いキスをする

「マスターの唇も...俺大好きだよ」

案の定マスターの顔は真っ赤になってて、ホントに可愛かった

『レンの馬鹿、変態』

「それはマスターも同じでしょ」

ムスッとしたマスターを後ろから抱きしめて耳元で話す
マスターは少し暴れたけど、そんなの意味ないもんね

「あ、今もっとすごい物マスターが持ってることに気付いた!」

『な、何?』



それは君だけ

(俺の、マスターが大好きって気持ち!マスターだけが独り占めしてる物)
(ば、馬鹿!)
(本当の事なのに...)
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