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□酔う花
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「あー、やまざきしゃんだー!」
頬を紅く染めた少女は楽しそうに笑っていた。
「・・雪村くんか。」
シンとした夜の屯所の廊下。
向いから、いつもとは違う雰囲気を漂わせている雪村くんと会った。
「山崎しゃん山崎しゃん、土方しゃんが呼んでましたーー!」
なぜか片手を上げて楽しそうにする彼女。
「・・・・副長が?」
「なんかれすねー、お酒のむそうれしゅよー」
・・・・・・呂律が回っていない・・・・
ろれつが回っていないの彼女の機嫌がとてもいいのは酒を飲んだせいだということが分かった。
・・・たぶん沖田さんたちにでも無理やり飲まされたか何かで酔っ払ってしまったのだろうか。
「・・・・雪村くん。俺から副長に言っておくので君はもう部屋へ戻って寝てくれ。」
彼女のことだからおとなしく部屋に戻ってくれるだろうと思っていた。
だがしかし彼女の反応はそれの真逆だった。
「・・・・です。」
「・・え?」
「・・やーです!!
いくら山崎しゃんの頼みでも、それはいやでしゅ!!!!」
「ゆ、雪村くん・・・?」
「今日は、やまじゃきしゃんにお酌をするんでしゅ!
土方しゃんにやってやれと言われました!!」
「いや、でも雪村くん・・」
「なんれしゅか山崎しゃん。私がお酌をするのが嫌なんれすか?!」