書架(CYパラレル)

□3.いっしょにおふろ
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「絡まってしまいますから」
そっとユーリの手を抑えたコンラートは、艶やかな黒髪を丁寧に梳き乍ら泡を流していく。
「はい、綺麗になりましたよ」
シャワーを止めて髪の水気を軽く切ってやってから、邪魔にならないように後ろに撫で付けてあげる。顕わになった秀でた白い額に、役得とばかりにちゅっと口づけた。
擽ったそうに口づけを受け入れたユーリは、
「コンラッドの背中流してあげる」
と云い出した。
「え? いえ、俺は……」
「何で? いーじゃんかー!」
「いや、ですが……」
狼狽え乍らもどう断れば彼を傷つけないで済むだろうかと考えを巡らせていると、ユーリの黒い瞳がうるうると潤み出していることに気がついた。
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