書架(CYパラレル)

□3.いっしょにおふろ
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「さ、ユーリ、お風呂に入って来て下さい」
コンラートは食器を片付け乍ら、食べ終わったユーリにそう声をかけた。
「……コンラッドと一緒が良い」
駄目?
腫れ上がったままの目で見詰め乍らそう云われ、コンラートは返事に窮した。
ユーリにおねだりされて一緒にお風呂に入るだなんてこれ以上はないくらい甘美な誘いだが、彼が風呂を使っている間にあのリビングを片付けようと思っていたのだ。
―――どうするかな。
散らかったリビングを見ればユーリが傷つくし、コンラートがそれを片付けているのを見れば申し訳なく思うだろうと思ったから、彼が席を外している間に片付けてしまおうと思っていたのだが……。
「だめ…………?」
潤んだ瞳で見詰められては、駄目と云える筈もなく。


「ユーリ、流しますよ」
目を瞑って下さいね、と声をかけ乍らシャワーをそっとかけて、シャンプーの泡を丁寧に流して濯いでいく。ユーリの小さな手が泡のついた髪を撫で付けているが、流そうとしているというよりは、掻き回しているようにしか見えない。
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